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DfAMとは?金属3Dプリンターの特徴を活かした最適な形状の設計を実現(前編)

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DfAMとは?金属3Dプリンターの特徴を活かした最適な形状の設計を実現(前編)
金属3Dプリンターは、従来の金属加工では実現できなかった形状の製品を製作することが可能であり、リードタイムの短縮やコストダウンが実現できることから注目が集まっています。しかし、このようなメリットを享受するためには、金属3Dプリンタの造形方式である積層造形の特徴を「活かす」設計手法が必要です。そこで本コラムでは、金属3Dプリンターによる造型を最適化する設計手法、「DfAM」について解説していきます。

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DfAMとは?金属3Dプリンターに最適な設計を実現

金属加工において、金属3Dプリンターを用いるメリットを享受するには、金属3Dプリンターに最適な設計手法を組み合わせなければなりません。これが、いわゆる「DfAM」です。

DfAMとは「Design for Additive Manufacturing(付加製造のための設計)」の略であり、金属3Dプリンタの特徴を最大限に活かすための設計・ガイドラインを指します。DfAMの視点で、製造部品の製造工程を見直すことで、金属3Dプリンターを使用する最適な効果が得られ、低コスト、高品質といった要求を満足することが可能となります。

DfAMを生かした造型は、DfAMに対応したCAD/CAM/CAEソフトウェアあるいは専用ソフトウェア(DfAMソフトウェア)、そして設計通りの造型を実現する金属3Dプリンターというハードウェアの、どちらが欠けても実現しません。

次章では、DfAMを活かした造形例についてご紹介します。


DfAMによる金属3Dプリンターのメリットを活かした設計例

軽量化

1つ目は、軽量化を図る設計です。
金属3Dプリンタは、従来の加工において困難とされていた中空構造の実現が可能であるため、製品の大幅な軽量化が可能です。

DfAMを活用し、インフィルレート(中空率)を変化させることにより適切に軽量化を行うことが可能です。さらにLPBF(Laser Powder Bed Fusion)式金属3Dプリンターの場合、中空率を変化させることで造形時間の短縮も可能になります。


ラティス構造

金属3Dプリンターは従来の加工法では不可能であった、ラティス構造の設計が可能です。内部あるいは表面を格子状の構造物に置き換えて、ラティス構造とすることにより、製品を軽量化しながら高い強度を保つことができます。
DfAMソフトウェアでは、このラティス構造の最適化を行うことができます。

ラティス構造の詳細については、以下記事でご紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。

ラティス構造①基礎知識とメリット

ラティス構造②金属3Dプリンターによる部品の実例と将来性

ラティス構造③ラティス造形を可能とする金属3Dプリンター

トポロジー最適化

金属3Dプリンタならではの設計手法として、トロポジー最適化があります。トロポジー最適化とは、対象の部品に求められるサイズや荷重などの条件をもとに最適な構造を導き出す手法です。

DfAMソフトウェアを用いると、このトロポジー最適化を活かした分析が可能であり、内部構造の変更や不要な部分の削減を簡単に行うことができます。その結果、必要な機能を保ったまま軽量化や造形時間の短縮、コスト削減などを実現することが可能です。


ジェネレイティブデザイン

DfAMソフトウェアにより、ジェネレイティブデザインを行うことが可能です。
ジェネレイティブデザインとは、コンピューターが3Dプリンターで製造する部品の機能や材料などの条件をもとに、自動的に複数のデザインを作成することです。

トロポジー最適化は、既に決まったデザインの条件に合った最適な構造を導き出す手法ですが、ジェネレイティブデザインは、機能や材料の条件に合わせたデザインを複数作成しながら学習していき、デザインからの最適化を行う手法です。


パーツ統合

金属3Dプリンタでは、従来は複数のパーツ統合によって構成していたアセンブリの、一体製造が実現できます。
このパーツ統合においても、DfAMを活用することで最適化を行うことができます

DfAMソフトウェアは、ご紹介した設計のほかにも、金属3Dプリンターの造形方式を活かせる最適な造形姿勢の分析や、CAF解析などの解析結果の反映による造形物の最適化を行う機能を有します。

このようにDfAMというと、金属3Dプリンターのメリットを活かした設計がクローズアップされますが、一方で金属3Dプリンターのデメリット解消にも活用されています。


後編では、その具体的な内容をご紹介します。

後編はこちら「DfAMとは?金属3Dプリンターの特徴を活かした最適な形状の設計を実現(後編)

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